フォークリフトのバックの仕方を解説!

フォークリフトのバックの仕方を解説!

一般的な自動車の場合、バックするのは駐車時などに限定されますが、フォークリフトでは前進走行と同じくらいバック走行を行います。フォークリフトのバック走行に慣れるまでにはある程度の練習が必要ですが、コツを押さえれば早く上達することも可能です。

この記事では、フォークリフトのバック走行の仕方やコツを解説します。

フォークリフトのバックの仕方

フォークリフトのバック走行

フォークリフトのバックの仕方は、基本的に前進と同じです。

 

まずドライバーシートを調整し、足がブレーキペダルとアクセルペダルに問題なく届くようにします。ドライバーシートに深く腰掛け、シートベルトをしたら、エンジンを掛けて左手でハンドルノブを握ります。
フォークリフトは原則として左手でハンドルの操作を行うため、右手は右足の太ももあたりに置いておきます。

 

後進レバーを引き、右手でドライバーシートの右肘掛けを握りながら、後ろを向いて進行方向に障害がないことを確認します。その状態でアクセルペダルを踏めば、フォークリフトが後進します。

 

曲がりたいときは、ハンドルを曲がりたい方向に回します。ハンドルを右に回せば右方向へ、ハンドルを左に回せば左方向に曲がるので、あまり混乱しないでしょう。

後進直角走行、後進クランク走行のやり方

フォークリフトは小回りが利くので、かなり自由に動くことができますが、初めのうちは基本となる後進直角走行と、後進クランク走行の仕方をマスターしましょう。

ここではそれぞれの基本的な走行の仕方をご紹介します。

後進直角走行のやり方

後進直角走行とは、バックしながら、角を90度に曲がる走り方のことです。

L字型の通路を想定すると、まず通路の中央をバックで走行していきます。コーナーの1m手前に来たら、コーナーの内角を見つつ、ドライバーシートの中央部と角が重なった段階でハンドルを1回転半くらい切ります。

 

コーナーを曲がるとき、前輪のタイヤと角が20~30cm離れていたら、体を右側に向けてフォークリフト後部にあるカウンターウエイト(バランスウエイト)の中心と、後方通路の中央を見ます。カウンターウエイトの中心が通路中央に差し掛かったら、回していたハンドルをすばやく戻します。

後進クランク走行のやり方

後進直角走行のやり方をマスターしたら、短い間隔で交互に右左折する後進クランク走行のやり方を練習します。

まずはカウンターウエイトの中心部と、通路中央を合わせるようにバックします。コーナーの1m手前で、内角方向を見て、ドライバーシート中央部と角が重なった時点でハンドルをすばやく約1回転半させます。前輪のタイヤと角が20~30cm離れているのを確認したら、すばやく反対側を見ます。

 

カウンターウエイトが進行方向の角に重なったら、すぐにハンドルを戻します。進行方向の角と車両のステップの中央部分が重なったら、すばやくハンドルを1回転半切ります。カウンターウエイトの中央部分と通路の中央線が重なったら、すぐにハンドルを戻します。

フォークリフトでバック走行する際の注意点

フォークリフトでバック走行する際、特に注意したい点を4つご紹介します。

1. 後方確認を怠らない

フォークリフトは荷物やマストなどで前方の視界がふさがれるケースが多いため、バック走行の方が視界がひらけて運転しやすいと言われています。

ただ、体は前方を向いているので、バック走行時は状態をひねって後方を確認する必要があります。その場合、どうしても背中側に死角が生まれやすいので、バック走行する際は十分な後方確認を心がけることが大切です。

よく見えない部分があったら、無理をせずに一度車両を停止し、周囲の安全をきちんと確認してからバック走行を開始しましょう。

2. 荷物の状態を確認する

バック走行しながら曲がると、遠心力によって荷物が動いたり、傾いたりすることがあります。

特に初心者のうちは、曲がることに集中するあまり、荷物の状態を確認するのがおろそかになりがちです。

直角やクランクのある通路で荷物をひっくり返してしまうと、荷物が車体に巻き込まれて破損や汚損の原因になるため、進行方向に目を向けつつ、荷物からなるべく目を離さないようにしましょう。

3. ハンドルの回しすぎに注意

フォークリフトは狭い場所でも小回りが利くよう、タイヤが小さめに設計されています。そのため、バックで曲がるときに大きくハンドルを回してしまうと、予想以上に車体が曲がってしまい、コーナーなどにぶつかる恐れがあります。

ハンドルの回転は最小限に留め、安定した走行を意識しましょう。

4. 内輪差に注意

フォークリフトは後輪でかじを取るため、前進する際は外輪差が、バックで曲がる際は内輪差が生じます。バック走行で曲がると外輪差が生じる自動車とは正反対になるので、自動車と同じ感覚で曲がらないよう注意が必要です。

フォークリフトのバック走行を上達させるコツ

フォークリフトのバック走行をなるべく早く上達させるのに役立つコツを3つご紹介します。

1. 前後進レバーをうまく活用する

バック走行に気を取られていると、意図した以上にブレーキペダルを強く踏み込んでしまい、急停止してしまうことがあります。フォークリフトを急停止させると、運んでいた荷物が動いたり、落ちたりする可能性があるため、なるべく丁寧に停止させる必要があります。

そこで活用したいのが、前後進レバーを使用したブレーキです。

バック走行時、前後進レバーは手前に倒していますが、停まりたいときにレバーを離すと、徐々にスピードが緩まります。もちろん、レバーを離してもフォークリフトは惰性で動くので、ブレーキペダルを踏み込む必要はありますが、いきなりブレーキペダルを踏み込むよりもスムーズな減速が可能です。

2. 車体の感覚を覚える

フォークリフトに限った話ではありませんが、車体を自由自在に動かすためには、まず車体の感覚を覚えることが大切です。

フォークリフトの長さや車幅の感覚を覚えるのはもちろん、ハンドルをどのくらい回すとどれくらい車体が曲がるのか、ブレーキはどのくらい利くのか、などを熟知していると、やがて自分の手足のようにフォークリフトを操作できるようになります。

一度で車体の感覚をつかむのは難しいので、比較的広い場所で何度も練習し、徐々に覚えていきましょう。

3. ハンドルを切る方向を覚える

バック走行をしていると、ハンドルを切る方向と曲がる方向が分かりづらくなりがちです。

特に狭い通路などでは、ハンドルを逆方向に切ると壁や物に衝突してしまうおそれがあるため、バック走行時にハンドルを切る方向はしっかり覚えておきましょう。

右方向・左方向で区別せず、曲がりたい方向に回すと覚えておくと、いざというときパニックにならずに済みます。

フォークリフトのバック走行は基本を押さえるのがポイント

フォークリフトはマストや荷物で視界が悪くなりやすいですが、正しい姿勢でまわりをよく確認しながら進行すれば問題ありません。

バック走行で曲がるときは普通自動車とは逆に内輪差が生じるので、コーナーや障害物に当たらないよう注意が必要です。

また、小回りの利くフォークリフトは、ハンドルを大きく回しすぎると想定以上に曲がってしまうので何度も練習して車体の感覚をつかむところから始めましょう。

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