フォークリフトのチェーン交換の費用相場はいくら?

フォークリフトチェーンの交換費用の相場とは?

フォークリフトを長く使用していると、リフトチェーンがだんだん劣化してきます。

古びたリフトチェーンを 使用し続けるとさまざまなリスクが生じるため、定期的に状態を確かめ、必要に応じてリフトチェーンの交換を行いましょう。

この記事では、フォークリフトのリフトチェーンの概要や劣化したリフトチェーンを放置するリスク、リフトチェーン交換の費用相場を解説します。

フォークリフトのリフトチェーンの基礎知識

フォークリフトのリフトチェーンとは、リフトシリンダーの内側の左右に取り付けられているチェーンのことです。

 

チェーンの本数はフォークリフトのマストのタイプによって異なりますが、スタンダードマストタイプでは左右2本にチェーンが取り付けられています。スタンダードマストタイプの場合、荷物を持ち上げる際にリフトシリンダーが動いて、インナーマストを上昇させます。

インナーマストに付いているリフトチェーンローラーを介して、外側に固定されているアウターマストと、リフトブラケットに取り付けられているリフトチェーンが引っ張られ、リフトブラケットに装備されてあるフォークが荷物を持ち上げる仕組みになっています。

 

つまり、フォークリフトで荷物を持ち上げる際は、フォーク部だけでなく、リフトチェーンでも荷重を支えていることになります。

リフトチェーンの経年劣化に注意

荷物を持ち上げる際に重要な役割を果たすリフトチェーンですが、長年使っているとだんだん経年劣化が進んできます。放置すると、チェーンの摩耗や伸び、腐食などのトラブルが生じ、チェーンの耐久性が著しく低下するおそれがあります。

リフトチェーンが劣化すると、本来の機能を果たせなくなる可能性があるため、定期的な点検やメンテナンスを行うことが大切です。

フォークリフトのリフトチェーンの劣化を放置するリスク

フォークリフトのリフトチェーンの劣化をそのまま放置していると、以下のようなリスクがあります。

1. 荷物の破損・汚損

フォークリフトのリフトチェーンが劣化によって切れてしまうと、運んでいる荷物を支えきれず、フォークから荷物が落下してしまいます。持ち上げているものが軽量かつ衝撃に強いものなら被害は免れますが、重量のあるものや耐久性の低いものを運んでいた場合、落下の衝撃で荷物の中身が破損してしまうおそれがあります。

 

また、周囲が汚れていた場合、落下によって荷物が汚損してしまうリスクもあります。特に高価な荷物を持ち上げていた場合、破損・汚損によって生じる被害はかなり大きくなるので注意が必要です。

2. 人災のリスク

フォークリフトのリフトチェーンが切れて荷物が落下した際、周辺に人がいると、ケガをさせてしまう可能性があります。特に重量のあるものを落としたときの衝撃はかなり大きいため、持ち上げていた荷物の種類によっては大事故につながることもあり得ます。

 

荷物を高々と持ち上げていた場合は、周辺にいる人だけでなく、フォークリフトの運転者にも危険が及ぶ可能性があります。

3. 労働安全衛生法違反のリスク

労働安全衛生法第42条では、フォークリフトを含む機械は厚生労働大臣が定める規格または安全装置の具備を義務づけています。[注1]

 

同法同条の規定に基づいて定められたフォークリフト構造規格第9条では、リフトチェーンに関して、安全係数が五以上のものでなければならないと定めています。[注2]
ここでいう安全係数とは、リフトチェーンの破断荷重の値を、当該リフトチェーンにかかる荷重のうち、最も大きい値で割って得た値のことです。

 

安全係数5以上とは、最も大きい荷重の5倍以上の耐久性を有することを意味しています。経年劣化によって摩耗や伸び、腐食などが起こっているリフトチェーンの安全係数は5を下回っている可能性が高く、そのまま使用するとフォークリフト構造規格および労働安全衛生法に違反するおそれがあります。

 

労働安全衛生法第42条の違反は、同法第119条の規定により、六月以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があるので注意が必要です。[注1]

フォークリフトのリフトチェーンの点検方法

リフトチェーンの点検方法

フォークリフトのリフトチェーンは、労働安全衛生法の規定に基づいて定められた労働安全衛生規則第151条の21により、1年を超えない期間ごとに1回のペースで自主検査を行うことが義務づけられています。[注1]

この定期自主検査を特定自主検査といい、法定検査機器を1セット以上保有している有資格者による検査を行う必要があります。特定自主検査はフォークリフトの点検・修理などを請け負っている業者に依頼するのが基本です。

 

労働安全衛生規則で義務づけられた特定自主検査のペースは最低で年1回ですが、環境によっては数カ月の間にリフトチェーンの劣化が進み、耐久性が低下するおそれがあります。そのため、特定自主検査以外でも、定期的にリフトチェーンの状態をチェックし、劣化や摩耗が進んでいないか確認するのがベストです。

 

以下では、具体的なリフトチェーンの点検方法を3つに分けて説明します。

張り具合の点検

フォークリフトのマストを垂直にし、フォークを床面から約10cmの高さに固定します。

左右のフォークを左右で等しい位置に調整した上で、チェーンホイールとリフトブラケット固定端との中間点を交互に押してみます。同時に、2本のチェーンの張り具合に差が生じていないかどうかチェックしましょう。

伸びの点検

張り具合の点検を終えたら、フォークの高さや左右の位置をそのままに、リフトチェーンで最も摩耗している部分の伸びを測定します。一般的には、リフトチェーンとホイールの接触が多いところが摩耗しやすいので、チェーンゲージと呼ばれる専用の道具を使って測定しましょう。

フォークリフトのメーカーが指定する基準値内を超えている場合は、経年劣化による伸びが進んでいることを示しています。

不具合の点検

リフトチェーンに付着している油やごみ、ほこりなどを除去しながら、目視で亀裂や変形、損傷の有無を確認します。腐食が進んでいるリフトチェーンは摩耗や伸びを起こしやすいので要注意です。

フォークリフトのリフトチェーン交換の費用相場

フォークリフトのリフトチェーン点検により、劣化や摩耗、腐食が見つかったら、リフトチェーンの交換が必要です。

リフトチェーンの交換にかかる費用はフォークリフトの重量によって異なりますが、1.0~5.0t未満までは15,000円前後、5.0~11.0t未満は16,000円~20,000円前後、それ以上の重量になると25,000円超がおおよその相場となっています。

なお、リフトチェーンは劣化や摩耗が進んでいる方だけでなく、2本同時の交換となります。上記で紹介したのは2本分の交換費用の相場ですが、摩耗が進んでいるのは片方だけだから半額で、という計算はできないので注意しましょう。

フォークリフトのリフトチェーンの劣化・摩耗に注意しよう

フォークリフトのリフトチェーンは、荷物を持ち上げる際に重要な役割を果たす大切なパーツの一つです。長年の使用によって劣化や摩耗が進んでいると、リフトチェーンが切れて荷物を破損したり、人にケガをさせたりする原因となることがあります。

 

リフトチェーンを安全な状態に保つことは所有者の義務でもあるので、定期的にリフトチェーンの点検を行い、必要に応じてチェーンの交換を行いましょう。リフトチェーンの交換には15,000円~60,000円程度の費用がかかるので、日頃からメンテナンス費用の準備を整えておくことをおすすめします。

 

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